「みんなっ!」
栞は、イヴモンを抱きしめたまま立ち上がった。足に、あまり力が入らない。ふらふらする。
「うわあああああ!」
それでも、悲鳴を聞いていたら、座ってなんていられなかった。ぐらりと足もとが揺れたのはこの時だった。
「…ッ!?」
思わぬ衝撃に頭がついていかず、栞はその場にぺたりと座りこんでしまった。力が抜けていくのがよく分かる。だめ、だめだよ。頭をフル回転させようとしても、頭の中を蝕む何かが栞を拒んでいる。
「いかん!…獣王拳!!」
レオモンの攻撃は、デビモンに当たることはない。彼は一気に舞い上がり、にやり、と笑う。そのうちに、子供たちの乗るベッドは、ゆっくりと散り散りになった。
「デビモン!貴様よくも私にあのような卑劣なマネを…許せん!」
その言葉を最後に、栞は自分の瞼がゆっくりと降りていくのを感じた。どうして、なんで開けていられないの、眠くなんてないのに。何度も頭を振るが、それでも瞼は閉じていく。
そして暖かい存在が、栞の傍にくるのを感じた。
「選ばれし子供を、君の光で導いてくれ、守人よ。…君たちはこの世界にもたらされた唯一の希望なのだ…生き延びてくれ…そして再び会えるのならば…またこの世界を…導いて…くれ…」
どうして、そんなに悲しそうに笑うの。泣かないでよ。ゆっくりと伸ばそうとした手は、何を掴むわけもなく、そのまま放り出された。
17/07/25 訂正
10/11/08 訂正
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