「栞、君ノ願いガ、すべテを救うンダ」
「私の、願、い…」
「そウ。栞は知ッていル筈だヨ。生マレた時かラ無意識ノうちニ学習しテいるンダ。思イ出しテ、全テの力を解き放っテ、彼ラに、力ヲ与えテ」


 できない。 否、できる。
 やれない。 否、やらなければ、いけない。
 だって、そのために、自分は在る。

―――…しゃらん。しゃらん。しゃらん。

 鈴の音が、だんだんと栞に近づいてきた。


「…デきル?」
「―――…」


 出来るだろうか。
 でも、やんなきゃ守れない。
 守らなきゃいけないの。私が。 みんなを。


―――…しゃらん、しゃららん。

―――…しゃらん、 しゃらん!


 頭を、兄に撫でられたように、風が吹き抜けていく。

 できる、かもしれない。

 曖昧にも、栞にはそう思えた。


 す、と栞の姿勢が、正される。
 目の前に守らなければならない人々が居て、守ってくれるものたちが居る。

―――…しゃらん。しゃらん。

 そのものたちのために、力を、あたえる。


「…おねがい、」


 増大な力が、彼女の中に溢れてくるのが分かった。光が栞を包み込んでいくのも分かった。
 太一たちはまだ声を大にして、パートナーの名前を呼び続けている。
 その時だった。天から八条の光が降り注いで、フワモンたちを包み込んでいく。声の名の下、光が、集結した。


「な、何だ!?」


 光の中で、子供たちはデジモンたちの姿を一瞬見失った。目を見開いて、己のパートナーを探す。


「ま、まさか…」


 だけど次の瞬間、彼らはそこに、『進化を遂げた成長期デジモン』の姿を見た。

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