時をさかのぼり、太一と栞が消えた夜から一カ月経ったときのこと。彼等は焚火を囲むように、その場に鎮座していた。誰もが沈痛の面持ちで俯いており、ただ一人、タケルだけがよく分かっていない顔でその場にいた。
ずっと言い続けたのは、空だった。
―――…探そう?見つかるまで、太一とアグモン、栞とイヴモンを探そうよ!
―――……無理だ。一月半も探して、手掛かり一つないんだぞ。
―――…ゲンナイさんなら、きっと何か知っていますよ。ゲンナイさんを探しに行きましょう!
―――…何処に居るかも分からないのにどうやって探すんだよ。
―――…それより早くおうちに帰りたい…。
一人一人の気持ちが、彼らを繋いでいた『仲間』という鎖から離れ始めていた。誰だって消えた仲間が心配なわけではない。ただ探し続けた日数が、あまりにも経ちすぎていた。
あくまで否定し続けるヤマトに食ってかかりたくなる空だが、彼の気持ちも分からないでもない。このまま探し続けても、見つかる保証などどこにもない。拳を握りしめ、その場に座り込んだ。
夜も更けていたので、この中で一番幼いタケルは耐え切れずあくびをした。そのタイミングで、全員が眠りに就くことになった。
そんな夜、子供たちが寝静まった頃のことだった。
―――…タケルには…泣かれると困るから…。
一つの影が差し、トコモンはゆっくりと起き上がる。敵意がないのは分かっていたので、自分の眠気を優先した。トコモンは、その優しい声の持ち主を、知っていた。
―――…んー…。
―――…しー。
やはり、空だった。彼女は優しい笑みを称え、トコモンの頭に手をおいた。
―――…私たち、やっぱり栞と太一を探しに行くから。またね。
―――…元気でね、トコモン。
その時は、寝ぼけ半分で聞いていた。小さく頷いて、再び横になれば、そんなこともすっかり忘れていた。起きたら空とピヨモンはいなくて――始めに、2人がいなくなった。
「それから――みんな、一人ずついなくなった」
次にゲンナイを探しにと光子郎とテントモンが。丈とゴマモンが。ミミとパルモンが、離れて行った。
たくさんの足跡だけが砂漠の上に残されたが、風が吹けば、その足跡もすぐに消えた。
「最後に残ったのは、僕とタケルとヤマトとガブモンだけ」
その時のことを思い出しているのだろうか、悲しげに伏せられた瞳からは大きな涙粒がちらりと見えた。
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