「き、君たちは…一体何を考えてるんだー!?」


 気合いを入れて叫んだ瞬間、ぐぅぅぅ、とまるでサイレンのように長い空腹を知らせる音が丈のお腹から聞こえた。「食べてやる…!こうなったら有り金全部食べてやる…!!」真っ赤になった顔を隠すように、ずんずんとカウンターの方へ向かって行った。


「あれ…」


 ピピピ、ピピピ。聞き覚えのある音に、栞は顔を上げ、光子郎の方へと視線を向けた。彼は不思議そうに首を傾げ、手に握るデジヴァイスを見つめていた。


「おかしいな…デジヴァイスが反応してる」
「みんながいるからでしょ?」
「さっきまでは反応しなかったんですが…」
「おかしいわね…」
「こっちの世界では近距離でしか反応しないのかな、」


 そのようなことはないと思うのだが…。デジヴァイスがどういう構造で出来ているかは分かりはしないが、世界が変わるだけで仕組みも変わることがあるのだろうか。


「ねえねえ。そんなことより、ここからどうやって行くの?」
「そうだね。もうお金なくて電車乗れないもんね」
「どうやってお台場に帰るか…」


 その原因は既にお腹の中に収まってしまっている。千切ってはイヴモンの口に入れていたものも、そろそろ終盤に近付いてきていた。嬉しそうにニコニコと笑いながら受け取るものだから、栞はそれが楽しくなってきていた。
 さすがに無線乗車など出来るわけもない。そんなものは違法行為だ。かといって徒歩でお台場まで行けるかと言われればそれはノーと首を横に振る。さすがに遠距離すぎる。


「それなら俺に任せろって。ちゃーんと考えてあるから、さ」


 にやりと太一は笑った。いつになく、嫌らしい笑みだった。


17/07/27 訂正
11/10/03

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