「ほら、二人とも。帰るぞ?」
見守っていた父が、優しく先を促がす。「おう」一馬が返事をした。
握った手を、離さないように、強く掴んだ。―それから、思いを馳せ、空を見上げた。青い空。あちらも、こちらも、代わり映えはしない。けれど、隣には一馬がいて、前にはおじがいる。家に帰ればおばが夕飯を作って待っている。
帰ってきたんだ。ふ、と立ち止まった。
「栞?」
ぐい、と一馬は引っ張られる感覚に足を止め、振り返る。手を握った栞が立ち止まれば、自分は引っ張られるのは仕方のない話だったが――首を傾げ、彼女を見やれば、栞は一馬を見て笑みを浮かべる。「ごめんね」そう言って、小走りに一馬の横に立った。
まもるよ。
世界なんて、大きなものは無理かもしれない。
でも。
家族は。 一馬は。
私がまもるよ。
キラっと、夕闇の中で星が瞬いた。その光が、まっすぐ誰かの心に落ちる。闇の中に咲いた、ひとつの花のように。
17/07/27 訂正
11/10/27
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