「栞さん、僕たちも行きましょう!」
「うん…!」


 カブテリモンは真っ直ぐにレアモンに向かってメガブラスターを放った。背後から聞こえる爆発音を耳に、光子郎と栞、イヴモンはデジヴァイスに表示されている赤い点が示す方向へと走った。
 段々と音は静寂さを増し、やがては点は消える。


「消えた…?」
「違う、」


 再び、赤い点は表示され、音は活発化する。「動いてるんだよ、」栞と光子郎は顔を見合わせた。


「こっちです!」


 光子郎はなるべく栞に合わせて走ってくれていた。いくら文学少年と言えど、体力づくりにサッカークラブに入っている光子郎は、栞に比べると体力はある。二人は、並んで、デジヴァイスの示す方向へと足を向けた。


「八人目は…」
「どこなの…?」
「こっちだ!…どうやら近いようです!」



 倉庫が立ち並ぶ区域までやってきて、二人は立ち止まった。「このあたりのはずなのに…」デジヴァイスの反応は、確かにこの位置で止まっていた。


「また、動いたのかな…」
「そうかもしれません、」

「あ!!お前――それに守人!」

「あっ!!」


 漆黒に紛れたピコデビモンが、蝙蝠のような羽根でバタバタと空を仰ぎ、にやりと笑う。願ってもないことだ。今は夜―どちらかといえば、自分は動きやすい時間帯だ。それに選ばれし子供は一人きり、守るパートナーデジモンは、いない。
 ピコデビモンの頭の中では、もう守人を手にし、ヴァンデモン様に捧げ、お褒めの言葉をいただく算段までできていた。
今まで随分と黙りこんでいたイヴモンが、栞の腕の中でもぞもぞと動いた。

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