「ねが、う。あなたなんか、『 』んでしまえば――」


 ずきん、と頭が痛んだ。目の前がゆらぐ。
 めのまえが、血であふれていた気がした。 目の前で、誰かが倒れている気がした。
 あれはだれだ。 ――あれは ちち だ。

 キキーッ!

―――…おとう、さん、?
―――…お父さん、お父さん!!

―――…栞、父さんは、『 』んだよ。

―――…まるで疫病神ね。義姉さんもあの子を産んだから『 』んだんでしょう?
―――…まだ幼い二人を残して、二人とも『 』んでしまうとはな…やりきれない。


 ひしめく喧騒が、耳元で広がる。
 やめて。それ以上は何も言わないで。

 私のせいだ、私のせいで。 
 私のせいで、お父さんは お母さんは


――― 栞

――― 父さんは

――― 『死』んだんだよ


 ぷつりと何かが切れた音がした。


「いや、いや、あ、あああ、ああああッ!!」


 目の前で、限りない闇がひろがる。
 もう、闇しか見えない。
 ――彼女の瞳が紅く染まった。

 それが合図とでもいうように、かの闇のアンテッドデジモンは、口角を持ち上げ、にやりとわらった。

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