★ ★ ★




 英士と結人は赤い光を頼りにビックサイトを目指していた。


「もうそろそろのはず、だよね」
「…けどこの靄、本当に鬱陶しいな」


 以前、靄のせいで道は見えないため、本当に赤い光だけが彼らの道しるべだった。サッカーボールを抱えた手は、緊張のせいか、少しだけ湿っていた。


「なあ英士、」
「しっ…」
「!?」


 もう少しでビックサイト――その時に、彼らの目の前に白い化け物が現れた――。


★ ★ ★




「――栞?」


 嫌な予感だけが、胸を吹き抜けた。――「栞、」きっと、きっともう。
 太一と無事合流できたミミ、イヴモンはフジテレビに向かっていた。白い体がどこか曇っているように見える。太一はちらりと横眼でその体を見て、また前を向いた。


「栞なら大丈夫だ―」
「太一、」
「俺は、信じてる」


 いつだってまっすぐ前を見つめる太一に、イヴモンは小さな声で、「ありがとう」とつぶやいた。心が繋がっているから分かる。

 あの子はもう、もう―。


「お礼言われるようなことなんて言ってねーよ」
「…君のまっスぐさニは救ワれるヨ」
「え?」
「栞を――栞を、掬ってあげてね」


 堕ちてしまって、いるのだから。


17/07/31 訂正
13/07/09

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