「何者です!?」
「僕のことなら得意のパソコンで調べればいいじゃないか。…ほら」
楽しそうにクスクス笑いながら、長い鼻を持つ木製の人形のような―そう、童話に出てくるピノキオに似たデジモンは、指先をゆっくりと動かす。彼の指先から垂れた糸は、真っ直ぐ光子郎の両手につけられていた。彼が指を動かす通りに光子郎の指も動く。
「ふふふっ」
「っ!こいつも究極体です!!」
ふわりと浮いたピノッキモンは、やはり楽しそうに笑う。
「もうっ!なんで次から次へと究極体デジモンが出てくるのよ!!」
「ミミ…」
次から次へと訪れる戦慄に、ミミは思わずチューモンを抱きしめ、大きく叫んだ。リリモンは気遣うようにパートナーに寄り添う。
ちらりとピノッキモンの視線が栞を貫いた。楽しそうなのに、ムゲンドラモン同様、何の感情も持たないような瞳がやけに目につく。
「よーうやく会えたねぇ、守人」
「何…を…?」
「ふふふっ、今思い出しても笑えるなァ、アイツの必死な姿!」
「アイ、ツ…?」
やけに含み笑いを繰り返すピノッキモンに、栞はただ復唱するしかできなかった。彼が言う“アイツ”の存在に、いまいちピンとこない。
ひとしきり笑ったから満足したのか、ピノッキモンは大きく腕を広げ、高らかに叫んだ。
「さあ!ラストステージまで飛んでけー!」
子どもたちの軽い体は、抵抗する間もなく、またどこかへと飛ばされていく。ピノッキモンは、残されたデジモンたちへと視線を移し、「お前たちもとっとと行くんだ!―ブリットハンマー!!」手に持つハンマーから無数の弾丸が放たれ、まともに喰らったデジモンたちは成長期や幼年期に退化しながらパートナーたちのあとを追うように飛ばされていった。
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