子どもたちも気づいたら、徐々にダークマスターズの元から離れていく結界の中にいた。彼らを助けたピンク色のデジモンの姿を見て、子どもたちはほっと息をついた。


「ピッコロモン!会いたかったよ〜!」
「私もだッピ!」
「結界を作って、敵に見えないように接近したんですね…!」
「そうだッピ!」


 大きな羽を持った完全体デジモンは、かつて彼らに試練を与え、見事太一とアグモンを再び進化へと導いた。彼らにとって大きな影響を与えたといっても過言ではないデジモンだ。


「ピッコロモン、俺たちは八人と栞がそろえばこの世界と地球を救えると信じて戦ってきた。なのに…!」
「確かに人数は揃ったッピ。だがそれだけでは勝てないッピ!」
「私たちに何が足りないの!?」
「教えてくれ!!」
「残念ながらその時間がないッピ…クッ!」


 大きな爆音とともに結界が揺らぎ、まばゆい閃光に照らされる。恐らくダークマスターズが追いついたのだろう。


「私が奴らを食い止めるッピ!その隙にスパイラルマウンテンに向かうッピ!!」
「食い止めるって…!!アイツら全部究極体だぞ!!?」
「分かってるッピ!勝つのは無理にしても、いくらでも手はあるッピ」


 駄々っ子を言い聞かせるように、安心させるように。ピッコロモンは、きわめて明るくそういった。微笑んだ。
 ―適うわけない。いくらピッコロモンが強いとはいえ、完全体一匹が究極体四匹と相対して無事で済むはずもない。だから、子供たちは気づく。彼の背負う、覚悟の重さに息をのむ。

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