「シェ〜ル〜〜〜!!」
「あっ!」
「お兄ちゃん、知ってるの?」
「前に戦ったことがある!アイツには適わない、逃げろ!!」


 生身の存在ではデジモンには適わないし、力を消耗しているとはいえ、戦えるべき彼らのデジモンは陸の上だ。急いで180度回転させ、来た道へと逃げこむ。


「はやく逃げて〜!!」


 アグモンの焦る声が子供たちにも聞こえた。必死に漕いでいるが、相手は水中のデジモン、海では適わない。


「お前たちを溺れさせてやる〜!!」
「わあ!追いつかれる!!」


 大きな口を開いてカヌーを噛み砕くつもりなのだろうか!青ざめる子供たちは必死に漕いで、何とか緊急回避はできた。狙いを外したシェルモンはすぐに海面から顔をあげ、再び子供たちを追いかけてきた。水飛沫をあげ、背中の角でカヌーの一部分を破壊し、追いかける。その光景をただ見ていることしかできないデジモンたち―歯がゆい―ダークマスターズとの闘いで力は消耗しきっている―けど。大切なパートナーの危機を、そんな理由で黙って見ているなんてできない。


「疲れてるなんて言ってられないよ! 助けに行こう!」
「うん!」
「待って!!」


 駆けだそうとしたアグモンたちにストップをかけたのは幼年期にまで退化してしまったモチモン達だった。


「ここはワテらに任せておくんなはれ!」
「プカモン進化!―ゴマモン!!」
「タネモン進化!―パルモン!」
「モチモン進化!―テントモン!!」
「ピョコモン進化!―ピヨモン!!」


 まずパルモンの「ポイズンアイビー!!」でシェルモンを絡め取り動きを拘束し、そこに気を持っていかれているうちに宙を飛ぶ二体がシェルモンのもとへと向かう。


「なっなんだ!?」
「プチファイヤー!!」
「プチサンダー!!」


 ピヨモンの炎とテントモンの電撃のタッグがシェルモンを襲っている間に、もう一体、ゴマモンの「マーチングフィッシーズ!!」で呼び寄せられた魚たちとゴマモンによって子供たちを乗せたカヌーが岸へと運ばれていった。


「うわあ、ああ!今度は本当に助けて!」


 立て続けに攻撃を浴びたシェルモンは、捨て台詞ともいえない台詞を残して、海中へと消えていった。
無事に岸へとたどり着けた子供たちはホッと息をつく。疲れているであろうに頑張ってくれた、ぐったりとしているパートナーを抱く子どもの手は優しく温かかった。
 その様子を見ていた太一の中では、ずっと思っていたことが形になったようで、彼は大きく声を張った。

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