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彼は、主人の命を受けて、海底へと消えていった子供たちを探していた。もし見つけることができなければ、とぶるりと体を振るわせた。容赦ない仕打ちを想像して焦る気持ちを抑えながら必死に前を進んでいたとき、ひとつ、ふたつ、数えきれないほどの泡に、彼は気づいた。
子どもたちのために気圧を調整するための、泡が海面へとかけ昇る。だが、それが、命取りとなると、想像していただろうか。あの大きな体を見間違えることはない。安堵の気持ちと誇らしい気持ちで、彼は声が裏返った。
「――いました、ホエーモンです!!」
海の中で旋回して、深い海底へと潜り込む。うまく擬態しているように思えたが、一度見つけてしまえばこちらのものである。
「ホエーモンを見つけました。エリア51の海底に潜んでいます」
「了解。早速メタルシードラモン様にご報告だ」
高まる気持ちが抑えきれない。主人は自分を褒めそやし、きっとご褒美を下さることだろう。海の中にいるというのにどこか体全体が熱く、昂っていることを知る。す、と、息を吸い込んで、大きく口を開いた。
「いました! ホエーモンを!選ばれし子供たちを発見しました!!」
海原を舞い上がる一匹の鋼鉄に覆われた竜は、その報告を聞くや否や甘美な声をあげる。――もう逃しはしない。怪しげに光る瞳からは何の感情もうかがえなかったが、その確固たる意志だけは漏れる咆哮から知れた。
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