「同じクロンデジゾイド合金だ、そう簡単には傷はつけられんぞ!」


 激しい攻防戦が繰り広げられる。敵の思考の読み合い、そして力の押し合い。
 そのさなか、先ほどの太一の指示通り、子供たちは岸へわたるため、ホエーモンの背中から各々のデジモンの背中へとうつる。


「ホエーモンありがとう!後は俺たちに任せろ!」
「しかし……っ!」
「その身体じゃ狙いうちになる!!」
「さあ、はやく!」
「…大丈夫だから。いって。…ありがとう、ホエーモン」


 子どもたちのその言葉に。栞の笑みに。ためらいを隠せなかったホエーモンだったが、後ろ髪を引かれる思いで「…わかりました!」、そう彼らの言葉を理解して再び潜水していった。
 彼のおかげでここまで来れた。本当に、感謝しかなかったからこそ、これ以上は巻き込めない。せめて安全な場所まで、無事にたどり着くように。そう祈りを込めて見送る間に、彼らは無事岸へとたどり着いた。


「させるか!!」


 海の中から子どもたちを狙っていたハンギョモンは、ホエーモンのせいでメタルシードラモンから叱責を受けたばかりだった。せめて一矢報いるため、去りゆくホエーモンに向かって槍を投げるが、「ハープーンバルカン!!」援護のため海上に残っていたイッカクモンの攻撃が炸裂し、槍は粉々になって海の藻屑となった。だが海の中から次から次へと放り込まれる矢に当たれば危険だ。怯えた表情をしていた丈だったが、突然、凛然とした態度で叫んだ。


「イッカクモン!!」


 名を呼ばれた。それだけで丈の思いは伝わる。


「イッカクモン超進化ァァ!!――ズドモン!!!」


 ズドモンは振り上げたハンマーを海面にたたきつけた。「ハンマースパーク!」は容赦なく電撃を帯び、ハンギョモンたちを蹴散らしていく。大きな水飛沫があがった。


「アルティメットストリーム!!」
「ブレイブトルネード!!」


 山を破壊するほどの強烈な一撃を交わしたウォーグレイモンもまた必殺技を携えてメタルシードラモンに突っ込んでいくが―。


「――馬鹿め!!」
「しまった…っ!!」


 突然大きく空いた口の中へと誘われ、寸でのところで両手を突き上げるものの、ウォーグレイモンをくわえたまま、メタルシードラモンは海の中へと飛び込んでいった。不利な場所へと引きずりこまれたのだ。


「ウォーグレイモン!」
「まずい、海中では圧倒的に不利です!」


 海の中で、ウォーグレイモンの体力はみるみるうちに奪われていく。噛み砕かれまいと腕に力を籠めるが、徐々にその力も弱まっていくを感じた。

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