「やあタケル、また会えてうれしいよ」
「僕は嬉しくないよ!もう君とは遊ばないからね!」
「そうだ!」


 口角をあげたピノッキモンは笑っているようだったが、その声はどこまでも冷えていて敵意がむき出しになっていた。負けじとタケルとパタモンが言い返すが、ピノッキモンはとうに興味を失っているようだった。


「ばーか!もう遊びは終わりだよ!――やっちゃえ、ガーベモン!」


 ピノッキモンの合図で、三体のガーベモンが子どもたちの前に立ちはだかる。


「ウンチバズーカ、発射!」

「うわああ!」


 名前から想像するに、おそらく。ぞわり、と背筋が冷えた。
 かまえたバズーカから、ミサイルの代わりに汚物が次々と子供たちに向かって発射される。おぞましい汚物から逃げ惑う子供たち。しかしミミだけはその場から動かず俯いたまま。


「ミミ!」


 いち早くそのことに気づいたパルモンが、名を呼んで駆け寄ろうと足に力を入れた。

 ミミに汚物があたりそうになるそのとき。

 彼女が顔をあげた。
 その表情は憤怒を現していた。瞳の色が鈍く光る。なによりたくましかった。手負いの野獣のような、どう猛さを秘めていた。追い詰められたものほど、恐ろしいものはない。


「何よ、こんなもん!!」


 がしっと、勢いよく、ピンク色の汚物をキャッチする。


「もう、いい加減にしてよー!!」


 そして投げ返す。野球選手さながらのピッチングである。もちろん投げ返されるとは思ってもみなかったガーベモンは、三体そろって唖然とした表情のままかたまってしまった。
 ピノッキモンですら、呆気にとられた。


「ミミちゃん!はやく!」


 その隙をついて空がミミの手をとり走り出した。
 情けないことに、彼らはそれをただ黙って見送るしかできなかったのだ。

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