「ここ…どこなの…?」
「どこかで見た記憶があるんですが…」
まさに何かを研究しているらしい場所だった。使用用途が分からない機械たちが所狭しと並べられていた。
「何かあるよ?」
彼女につれられるまま中を歩いていくと、タケルが何かを発見したらしく声をあげた。彼の視線の先には、ガラスケースがあった。彼は好奇心のまま、そのガラスケースに近づく。その中には何かが置かれているらしく、他の子どもたちもそれに続いた。
「あっ、デジタマだ!」
「デジヴァイスと紋章もある!」
ガラスケースの中には、色とりどりのデジタマと、彼らの手中に収まっているデジヴァイス、そして彼らを象徴する紋章が一緒に厳重に保管されていた。
それは全部で八つあった。
「……ん?」
感動してガラスケースにへばりついている子供たちよりも少し後ろにいた丈に、小さな、けれども多くの足音が聞こえた。―自分たち以外にも人がいるのだろうか。丈は不思議に、ぎょっと目を見開いた。
「あああ、っと、こ、これは!」
大人数の人間が、こちらに向かってあるいてくる。足先まで続く長ったるいローブを頭からすっぽりとかぶった状態で、顔までは見えなかった。どこからどう見ても怪しさ満点だった。
「す、す、すいません、お邪魔してます…」
連れてこられたとはいえ、彼らの居住地に勝手に入り込んだのは自分たちだ。ぺこぺこと頭を下げながら、その頭の中ではなんて言い訳をしようか考えていた。
しかし、その大人たちはするりと彼らの横を通り過ぎていった。まるで子供たちの存在など見えていないかのように。それぞれが持ち場について作業を開始しても、まるで子供たちなど関係ないというように。
「なんだよ、返事くらいしろよな!」
ゴマモンはむっとした様子で声を荒げるも、彼らからの反応はない。
「この人たちは立体映像です。あなた方の頭の中に、遠い過去の出来事を送信しているのです」
「不思議ね…。ふつうに存在しているようなのに。ねえ、栞?」
何気なく、空は背後を振り返って問いかけた。先ほどから一言も言葉を発していない彼女は、空の瞳をまっすぐ見つめ、それからゆっくり頷いた。やはり言葉は発さない。先ほどの太一とヤマトの取っ組み合いを気にしているのだろうか、と空は考え、それ以上は何も言わなかった。纏う空気の違いなど、気づきはしなかった。
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