前編
岩泉に告白したのはもう1ヶ月近く前のこと。
このまま伝えず終わるのは嫌だ!と意を決して伝えると まさかのオッケーをもらった。
正直付き合えるとは思っていなかったから
こちらが驚いたほどだ
しかし浮かれるのも束の間「あー、わりぃけど学校では隠してくれるか?」と言われてしまえば 「わかった」と言うしかない。
もちろん なんで?とは聞けなくて
単に冷やかされるのが嫌なだけなのか、
…私と付き合っていることが恥ずかしいのか
周りに教えたくない理由を1人で考えてはチクリとする胸の痛みに気付かないをふりした。
ブブブ と携帯が震える
『日直で遅くなるから先に帰ってくれ』
部活が休みの月曜、つまり今日は唯一 一緒に帰れる日だった
学校にいる間もそんなに話せないのだから
帰りくらい一緒にいたい
そう思い「私も用事済ませたりして待ってるよ」と送ったがすぐに既読はつかなかった。
学校でもそんなに話せない、むしろ 隠さなければと思えば思うほど話しかけるのもダメな気がして これなら付き合う前の方がたくさん会えてたんじゃないかとさえ思う。
彼女のはずの私はほとんど話せないのに バレー部のファンの子たちは応援に行って差し入れまで渡せて… ほとんどの子が及川のファンだと聞いたけど岩泉だって差し入れ渡されてたこと知ってるんだよ
そもそも付き合ってるというよりは
付き合ってもらっている の方が正しいのかもしれない。
ダメだダメだ、岩泉はオッケーしてくれたんだ。好きだなんて言ってもらえたことはないけれど他の子よりは私のこと好きだって思ってもいいんだよね?