それらが赤に染まるまで

「ほーりーちゃん!」
「うぉっ」
後ろから飛びつくように顔を覗かせれば
「びっくりした」と言われた。

「なに見てんの?」
「鹿島がまた囲まれてる」
「あ〜 王子だもんね」
「あれでも女だけどな」

その言葉に思わず堀ちゃんを見る
「鹿島が女だってちゃんとわかってたんだ 」
「当たり前だろ」
「扱い酷いのに」
「それはあいつがさぼるからだ」

なんだかんだ言いつつも堀ちゃんは
鹿島が好きなんだと思う。
今だって鹿島を見る目はなんだか優しい。
それをわかっているから 臆病な私は堀ちゃんに気持ちを伝えることができない。


「そう言えば 私鹿島に相談されたんだけど… 堀ちゃん先輩が少女漫画すごく読み込んでて、実はヒロインに憧れてるんじゃないか って。」
「はぁ!!?なんでそうなるんだよ…」
「少女漫画ってことはあれでしょ?
野崎関係?」
「たぶんそうだな 背景描くのに 恋しよっ 持ち歩いてたからそれを見られたのか…」

鹿島に相談された時 結構真剣な顔してたから一瞬本当に堀ちゃんは…なんて思ったけど
やっぱり野崎関係だったか…


思わず漏らせば お前までやめてくれ と
困った顔で頭に手を乗せられた。



もうすぐ予鈴が鳴る と歩き出す堀ちゃん。
その半歩後ろをついて行く。


「でも残念だなぁ 堀ちゃんが女の子になりたいのなら私が彼氏に立候補したのに」とイタズラっぽく笑ってみせる。
これがわたしの精一杯だ。

一瞬びっくりした堀ちゃんだったが
またすぐに前を向いてしまった。

いつまで言ってんだこいつ とか
思われちゃったかな
俯きながらまた半歩後ろを歩く。





「俺はお前に彼女になってほしいけどな」


ボソッと聞こえた声に思わず顔を上げたけど
相変わらず堀ちゃんは前を向いたまま

でも その耳はほんのり赤くなっている


じわじわと顔に熱が集まってくる
「えっと、 堀ちゃん…?」


「なんだよ」
不貞腐れたような顔で振り向いた堀ちゃんの顔は真っ赤だった






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「堀ちゃん、そこで野崎がバインダー持ってこっち見てるんだけど」
「おいちょっと待て野崎!!そのバインダー今すぐ見せろ!!」

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