こころが焦げる音
ドン!と背中に衝撃が走ったかと思えば
「っぶねぇ」
と突き飛ばされた私を堀ちゃんが受け止めてくれていた。
一瞬何が起きたのか理解できず堀ちゃんの逞しい腕にドキリとする。
「あ、ありがとう」恥ずかしさと嬉しさで混乱しつつも離れようと胸板に手をあてた。
「いぇーい3人目!」
と走り去って行く小学生を見て
なんのことかと思えばはらりと水着が浮く感覚。
思わずそのまま堀ちゃんに抱きついた。
「!?」
「ちょっと待って!!離れないで!!」
堀ちゃんは両手を上にあげ口をパクパクさせている。
堀ちゃんもパニックみたいだが私も大パニックだ。
この状況どうしよう!!とりあえず紐結び直さないと!でも手を離したらアウトだ!
混乱する頭でどうにか打開策を考える
「紐ほどかれた…」と呟くと
堀ちゃんは今度こそ声に出して「はぁ!?」と言った。
沈黙が辛い
「あの、堀ちゃん 悪いんだけど…
手、離せないから結んでください」
距離が近いのと恥ずかしさで堀ちゃんの顔は見られないから顔を背けながらお願いする。
「お、おう」とぎこちない手で背中へと手を伸ばす堀ちゃん。
まるで正面から抱き合っているかの様な体勢に心臓が今までにないくらいバクバクと音をたてる。
「ひゃっ」
スルリと紐を掬いあげる堀ちゃんの手が脇腹を撫でる。
「わりぃ!」
ビシッと両手をあげる堀ちゃんに少し楽しくなってきた。
「くすぐったくて…我慢するからお願いします」
口角が上がってしまうのを我慢しながら見上げると赤い顔でムスッとしながら「なんで笑ってんだよ」と言われた。
その後も手が触れるたびに声が出てしまう私に遠慮していた堀ちゃんは
「あーくそ!」と痺れを切らしたのか
私をさらに引き寄せると肘を使って私を固定した。
「ちょっと動くな」と耳元で堀ちゃんの声が聞こえる。
更にきつく抱きしめられて堀ちゃんの心臓の音まで聞こえそう… というか聞こえる!
「堀ちゃん、心臓ばくばくいってる」
思わず漏らすと 紐を結び終えた堀ちゃんに
「うっせーよ」と今日一番の力で抱きしめられた。