奇形の春

「野崎くん!野崎くん!」

登校してくるなり野崎を見つけた佐倉は野崎に向かって駆け寄っていく。

「ん?佐倉か、どうした?」
「あのね!新キャラのモデルになりそうな人見つけたよ!」
「本当か!?」

「街角で聞き込みして''働く可愛い女の子''を探す番組なんだけど 昨日紹介されてた人がこの学校の3年生だったの!」
「へぇ、なんて人だ?」
「名字名前先輩!近くのカフェでバイトしてるんだって!」
「カフェ店員か… 見に行ってみるか!」


その日の休み時間に3年生のフロアへ2人が向かうとすでに人集りができていた。

「あの中心にいる人じゃない?あ、こっちにくるよ!」

その中心にいた人物は 周りに少し会釈をすると人集りを抜けてこちらへ向かって来た。



「あの、名字先輩ですか?」

野崎がそう尋ねると「そうですけど…」と怪訝そうな顔を浮かべる。



「あの… カフェの制服姿 写真撮らせてもらえませんか?」
「は!?」
「野崎くん!?」


いきなりそれは怪しすぎるよ!
資料用に写真が欲しくてな… と何やら千代と揉めている野崎を見る名字は蔑んだ目を向けていた。


野崎が漫画家であること、自分はアシスタントであること、資料用に制服姿の写真が欲しいこと 等を千代がり詳しく説明すると渋々ながらも了承してくれた。

ただし、バイト先に迷惑がかかるのは困るので撮影は野崎の家で行うことになった。




「それで野崎ん家で撮影会してたのか」
「あの時は本当にびっくりしたよ!まさか野崎ん家に堀ちゃんが来るなんて」
「俺も驚いた」

堀ちゃんとよく話すようになったのもその後からだったなぁ なんて思うと野崎と千代ちゃんには感謝だ。

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