切っ先まで醜く思う

「名前!!!」

私を見つけた瞬間大きな声で呼んだ彼は
ズンズンと周りをかき分けてこちらへ向かってくる

及川先輩と岩泉先輩の「名字…?」という
声が聞こえた気がしなくもない



「やっぱりな!
 青城って聞いてこいつがいたこと思い出したよ。
 男バレのマネやるってのも及川が目当てかよ」

蔑んだ目に少し口角の上がった口元、
チラッと国見にも目をやるとわたしの手首を掴んだ

『違う、それにあなたには別れてって言った』

「俺は承諾した覚えはねえよ」と
バカにしたように言葉を続ける

「お前みたいなやつが及川に相手にされると
 思ったのか?マネやったって
 相手にしてもらえるとは限らないぞ?
 こんな男ばかりの部でマネなんて
 自分のこと可愛いとでも思ってんのか」

「帰るぞ」

ギリっと握られる手首が痛い

こんな場所で、今からマネージャー志望ですと
伝えるはずの場所で、苛立ちと羞恥心で
どうにかなりそうだ。

「お前いい加減にしろよっ!」と
青筋をたてた岩泉先輩を及川先輩が止めてくれているのが見える

このままここにいては邪魔者でしかない
バレー部の皆さんには明日お詫びに行こう

『ごめん国見、明日からは…

「行くぞ!」と遮るようにして強く引かれた手首を
振り解けないままついて行こうとした。

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