ミキサーの海で泳ぐ
「とりあえず、これは俺と名前の問題なんで、
松川くん?は どいてくんない?」
未だ強気でいる彼に
「名前は君と別れたがってるんだから
潔く身を引きなよ
大丈夫、及川のためのマネじゃなくて
名前には俺のためにマネになってもらうから」
「は?」
『え…?』
だから…と一歩踏み出して松川が彼の耳元で囁く
「名前を傷つけるやつが
名前と付き合う資格はないって言ってんの、
わかんない?」
守ってもらっている自分でさえも
ゾクッとくる低音に
彼は耐えきれなかったのだろう
「そこまで言うほどの女かよっ
こっちから別れてやるわ」と
捨て台詞を吐いて帰って行った。
足音だけが聞こえる静寂のなかで
「だーっ!くそ!!」
と髪をぐしゃっと混ぜた岩泉先輩が口を開く
「俺が一発入れてくる、どけ及川」
「ちょっと待って岩ちゃん!
まっつんが解決してくれたから!ね!」
「胸くそ悪りぃ」
「はい!みんなアップするよ!」
主将の一声で全員がハッと動き出す
どうやらものすごく目立ってしまったようだ