17-1
そこにあるって知っていて
手を伸ばせば触れられるって知っていて
手を伸ばそうとしなかった
触れたら消えてしまう
まるでシャボン玉
見ているだけで良かったの
実際に宙を漂うそれは
いつか割れてしまうか どこかへ行ってしまう
腕に抱えて持つものは写真で良い
平面だし動きもしないけど
一生変わらない
どこにもいってしまわない
手を伸ばさないことを“選んだ”の
触れて壊れてしまったら怖いから
それなのに──
指先が伝えてくれる感触は
こんなにもあたたかくて 安心する
私はずっと
これが欲しかった