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「え、は?リムジン?え?」


車を降りたらちょうど兄に会ってしまった。


「り、リムジンです」

「どうしたのお前、何やらかしたのお前」


いや、何もやってはないんだけど。


「じゃあな」

「あ、どもー」


リムジンで颯爽と氷帝に行く跡部。


「ちょっと、今の跡部様じゃない?」

「氷帝の?」

「まじ?」

「めっちゃカッコイイんだけど!」


そんなに有名なのか跡部…様。様とかウケる…。さすがというかなんというか。


「は?今のリムジン跡部?」

「跡部の事知ってるんだ」

「知らない方がすげぇ。そもそも何でお前が跡部んちのリムジンから降りてきてんだよ」

「なんか、マンションの向かいが跡部邸だった」

「……まじ?」

「まじ」

「あの豪邸跡部の家だったのか……すげぇ」

「凄いけどさ…」

「いいなー、俺もリムジン乗りてー」


いーないーなとか言いながら校舎に向かって行く兄。いや、別によくもない。


「名前、おはよ!」

「シェリー…」

「見てたよ、リムジン」

「…あはは」




明日からはちゃんと歩いてきます。うん、絶対。





「どうしたの?」「何で名前ちゃん、跡部様の車から降りてきたの?」「跡部様と苗字さんてどういう関係なの?」



とかね。朝1番、教室に入って皆からの質問の嵐。まあびっくりするのも当たり前だと思う。今まで氷帝の方々には全く興味がないというように(実際にない)振る舞ってきた私が、氷帝のキング(らしいよ、跡部が自分で言ってた)の跡部様のリムジンから降りて来たんだもんね。


「ただのご近所さんだよ」


とでも言えば、


「え!名前ちゃんの家ってあの高級住宅街にあるの?!」「跡部様のお家の近くなんて羨ましい!」「今度遊びに行ってもいい?」



とかとか、更に面倒臭い事になっちゃったりもした。というか、跡部邸の為に私の家に遊びに来るとかどうなの、それ。




「お前さっきの凄かったな」

「わー、三橋君も見てたの?」

「あれ、もう見て下さいって言ってるようなもんだろ」

「好きで乗ってきたわけじゃないのに…大体三橋君が自転車壊れたとか言うから」

「悪い!新しいの買うまで、な?俺家遠いし」

私も近くはないんだけど…

「リムジン嫌なの?」

「そりゃ乗れたのは良かったけど」

「いいなー、リムジン。俺も乗りたい」

「お兄ちゃんと同じ事言ってる…」



今日一日は騒がしくなりそうかも…




111105



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勝ち気なエリオット