14
開放感もとい、脱力感に校門を出たと同時に襲われた。全身の力が一気に抜けて肩がガクッと下がり口からはため息が出る。
「疲れた…」
今日一日で多分転校生並の質問攻めに会った私。本当に頑張ったと思う。どうして跡部と一緒に、しかも跡部の車で登校して来たかの問いに「別に好きで乗ってきた訳じゃないし、大した事でもない」なんて答えた日には多分クラスの女子、いや全校の跡部ファンの反感を買うので心にそっとしまっておいた。実際楽出来たから感謝はしてるんだけど、まさかこんなにも注目の浴びる事だとは。跡部嘗めてたよ。
「さすが跡部坊ちゃま…んー、今日は早く帰ろうかな」
ふと氷帝学園の前を通ると、
「うわー、凄い人だかり…」
まさに砂糖の塊に群がる蟻のようにある一角に集まる女の子達が見えた。きっとあそこに跡部がいるんだと思う。だって「○○くーん!」とか「××せんぱーい!」の声に混ざって「跡部様ー!!(他とボリューム2倍)」って(叫び)声が聞こえるんだもん。
「………」
うわー…とか思いながら帰路に向かう為歩き出した。本当今日はつくづく跡部の色んな意味での凄さを改めて実感した。
___________
「うわー、めっちゃ美味しそう」
あの跡部リムジン事件からしばらく経ち、私の周りも落ち着いてきた。今日は放課後に本屋にて軽く立ち読みしてます。何を?レシピ。
「食べたーい…でも私鶏肉の方が好きだ」
趣味として料理が好きだった私。まさか一人暮らしをこんな急にする事になるとは思わなかったけど、まあそこら辺はなんとか上手くやっていってる。今は雑誌買うついでにチラッと立ち読み中。作るのは勿論の事、食べる事も結構好きだから美味しそうな料理とかお菓子を見たら自分で即作ってみたくなってしまう。兄はちゃんと食べてるのだろうか。友達と男二人暮らしだし、料理なんてしてるとは思えないけど。
「なんか作ってあげようかなー…」
結局は雑誌だけを買って本屋をあとにした。
「結構長居してたかも」
意外にも本屋に長く居座ってしまったため結構な時間帯になっていた。周りの住宅地は道路にある外灯が灯り始めていた。マンションのエレベーターにのり自分の階に降りた時たまたま出くわしてしまった。
「「あ」」
言わずもがな仁王なんだけど。
111113
もくじ
← →
勝ち気なエリオット