17「うまい」
「よかった」
オムライスが出来たので仁王と二人でダイニングのテーブルで向かい合いながら食べている。私もそうなんだけど、一人暮らしでダイニングっていらないよなぁ。基本このマンションの部屋は広すぎる。
「料理出来る女っていいの」
「…どーも」
にやりとしながら私の方を見る仁王。そうやって褒め倒して女の子を落としてきたのか…私は騙されないからねーだ。
「ご馳走様…」
「意外に食べるの早いね…」
「ん?名前ちゃんの料理がうまかったからじゃよ」
「それはありがとうございます」
ったく…
「…それより」
「何?」
「今日…泊まってかんか?」
「はぁ?泊まってく訳ないでしょうが。私はこれ食べたら片付けてさっさと戻ります」
「つまらん奴」
「つまらなくて結構」
とことんふざけてるなこいつ。
泊まってったら何されるか分からない。いや、しないと思うけど…なんていうか、あーー!もう!
「ご馳走様。お皿片付けるよー」
「俺も手伝う」
「…ありがとう」
私がテーブルにある食器を片付けようとしたら仁王がスッと横から手を出して運んでくれた。…本当こういう所は評価出来るんだからさ…。
「だから泊まって」
「きーまーせーん」
「悪かったの」
「いいよ、私から言ったんだもん」
「また作ってくれるか?」
「……気が向いたら」
「………」
「何…」
「ありがとう」
お礼と共に頬に柔らかい感触と小さいリップ音が。
「…は?」
「お礼」
「…あんたねぇ{emj_ip_0792}{emj_ip_0792}」
「暴力反対じゃー」
またしてもやられた。てか思った。私の危機感がないんじゃなくて仁王が隙をつくのが上手すぎるだけ!
「じゃ、おやすみ」
「あ!逃げるな!」
もー!!本当油断ならないな、あの変態は!!
仁王の部屋から出て自分の部屋に戻ろうとしてふと牛乳が無いことを思い出しコンビニに行く事にした。いや、別にね、チビだから牛乳飲んで身長伸ばそうとかね、思ってないからね。うん。伸びたらいいなとは思ってるけど…。
「んー…牛乳だけのつもりだったんだけど」
つい、つい買っちゃうんだよね。コンビニには牛乳を買いに来ただけなのに、ふとスイーツのコーナーに目がいってしまう。そして新商品には滅法弱い私。いつの間にか手に取られているデザート。でもきっとこれは世の中の女の子、皆そうだと思う。甘い物と新商品には目がないです。
「おーい」
「うわっ!」
「びっくりしすぎ」
「…み、三橋君…」
びっくりするよ!いきなり後ろから声かけられたら。
「三橋君…どうしたのこんなとこで」
「姉貴に買い物頼まれてさ」
「ここのコンビニに?家から遠くない?」
「そー。なんかここにしか売ってないプリンがなんとかで」
「あ、これー?」
「ん、わかんねぇけど。それなのかな?」
「これ絶対美味しいと思う!」
「…甘いもん好きなんだな」
「うん!食べ物何でも好き」
「そっちは?」
「…牛乳です」
「ははっ!お前まさか身長…」
「ち、違う!別に背伸ばそうだなんて…」
「思ってんだー」
う…にやりと笑いながら頭に手を置かれた。三橋君ね…多分隠れSだと思う。
「あ、送るわ。家まで」
「い、いいよ」
「いーから。ちょっと待ってて。買ってくるから」
「……」
三橋君は送ってくれると言ったけど家から更に離れてしまうと思ったので断ったのだが、コンビニの前にいろと言われてしまい、大人しく待ってる事にした。
「さすが、クラス1のモテ男」
120208
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