26「跡部……」
「の家…」
「ほう…」
一瞬何かを考える素振りを見せた仁王。しかし
「ま、気をつけんしゃい」
「な、なにを?!」
いつもの様にニヤリと笑って行ってしまった。
「なんなの」
「まあその辺に適当に座っておけ」
「はーい…」
その辺てどの辺なの…。
あの後跡部が来て跡部邸に案内されたのだけど、まぁなんとも…。私の語彙力では説明しきれない凄さです、はい。入ってすぐに吹き抜けのあるロビー。階段の幅広すぎでしょ…。跡部に適当に座るように言われたのは客間っぽい所なんだけど…うん、高そうな革のソファと木のテーブル。私なんかが座るのはおこがましいです。
「もう少ししたら色々来るだろうが、まぁ適当に相手してろ」
「色々ってなに…てか適当すぎ」
何が来るの?跡部のご家族の方とか?え、困る!
「着替えてくる」
「あ、うん」
わ…ちょっとドキっとしてしまった。ネクタイ緩める仕草ってなんか弱いんだよね。跡部にドキッとするとか…不服だわ。そういえばお兄ちゃんがどうしたら女の子を落とせるかとか凄くどうでもいい事聞いてきたけど…うん、ネクタイ緩めるといいよって教えてあげよう…。でもあんなチャラチャラしてるお兄ちゃんに引っかかる女の子なんているのだろうか。でも意外と中身はしっかりしてるからな。
「っとお兄ちゃんはどうでもいいわ」
結局悩んだ末に二人掛けのソファに腰かけていたけれど、さすが跡部家のソファですよ。座り心地がとてつもなく素晴らしい。そりゃうとうともしてきちゃいますよね。
「ねむ……」
ちょっとくらいいいよね?
「おやすみ」
まあ悲鳴を上げるのは私が次に目を覚ました時なんだけどね…
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