32梅雨が明けてからは雨が降ることは少なくなり、その変わりジリジリと照りつける太陽の光がなかなか痛かったりする。
「名前ー!日焼け止め持ってきた〜?」
「うん、でも海入ったらとれちゃうよね…」
「ウォータープルーフのあるよ」
「あ、貸して!」
今日はこの間計画していた皆で海に遊びに行く日です。いわゆる海水浴ね。今日は土曜日なんだけど、月曜日が海の日で連休になってるから皆で泊まりがけで神奈川の海までやって来た。やっぱり連休ってだけあって砂浜には沢山のお客さんで賑わっている。
「人めっちゃいるね。場所取りしなきゃ」
「古川、行ってきてよ」
「はー?!」
「いいじゃん、あんたそういうの得意そうじゃん」
「いや意味分かんねえよ…はぁ」
古川君に場所取りを行かせるシェリーとそれにブツブツ言いながらも取りに行く古川君…
「古川、俺も行くわ」
「三橋〜!」
「え!三橋君が行くなら私も行く!」
「あたしも!!」
古川君に付き添う三橋君に、目をキラキラ輝かせる古川君。三橋君が行くならとワラワラ着いていく女の子達…
「なんか皆に申し訳ないね…」
「いや、実際あんな人数いらないでしょ」
三橋パワー恐るべしと言いながら皆が置いてった荷物を持ち出すシェリー。私も手伝わなきゃ。
「そういえば今日どこ泊まるの?私計画あんまり参加してなかったからよくわからないんだけど…」
「あそこの建物見える?」
「うん、あの道路の横のやつでしょ?」
「あれ」
「うっそ…」
シェリーが指差したのは家族とかでガッツリ泊まるような高級そうなホテルだった。泊まりの大きい荷物は予め皆でホテルにまとめて送ってあるけれどどんなホテルかなんてまったく知らなかったし。今日も皆でバスで来たんだけど、宿泊費や交通費込みでそこまでお金はかからなかったからびっくり。
「よく…泊まれるね」
「なんかね、古川のお父さんが会社であのホテルの優待券もらってきたらしいんだよね」
「え、すごい!」
「まぁ、あれよね。グループ割り」
「なるほどー」
古川君のお父さんありがとうございます!
_____________
「「きゃっほーーーーい!」」
古川君達のおかげで無事に場所取りもできて今から早速、海で遊びます!って言っても皆遊びに行ってしまうと荷物番がいなくなってしまうのでとりあえず私は休みがてら荷物番をすることにした。男の子の何人かは叫びながら海へダッシュして行った。
「名前、私も残ろうか?」
「え、大丈夫だよ!遊んできてよ!」
シェリーの水着姿は女の私でも目のやり場に困るくらいセクシー。それに比べて私は…。うぅ…別に泣いてなんか…ないし!!
「あれ?苗字海入んないの?」
「荷物ばーん」
「え、悪い…俺も残ろうか?」
「うん…誰かもう1人くらいいた方がいいんじゃない?」
「大丈夫大丈夫、シェリーも三橋君も遊んできてよ!後でちょっと代わってくれればいいからさ」
「うん、わかった!」
「たまに様子見にくるわ」
「ありがとー!」
なんかみんな過保護だな〜。そんな頼りないか私。
「そういえば…苗字…その…」
「ん?」
三橋君が何か言いたげにチラッとこっちを見てきた。
「おーい!三橋ー!あの浮き輪さー…って」
三橋君を呼びにきたのは古川君だっだ。
「苗字!今日めっちゃ可愛いじゃん!」
「え!?」
「水色ってお前っぽいわ〜、水着似合ってる!」
「あ、ありがとう!!」
古川君…素直に嬉しいよ!シェリーみたいにセクシー体型でもないのに…。たとえ水着を褒めていてくれたのだとしても!
「苗字身長低いけど出るとこ出て、っていてててててて!ちょ、何すんだよ三橋!」
「……」
無言で古川君のほっぺたをつねる三橋君。ど、どうしたの?!
「おら、行くぞ!」
「な、んなんだよ〜!!」
「じゃあ、気をつけてね名前!」
「はーい!」
三橋君に引っ張られる古川君と、シェリーを手を振って見送った。そういえば三橋君、なんか言いかけてたけど何だったんだろ?
130605
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