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恐怖に半分震えていた時だった。


次の瞬間にはもう、私の腕を掴んでいた手はもう離れていた。





「いででっ!」

「てっめ…何すんだよ!」

「ふざけんな!」

「うるせえ…早く消えろ」

「……っ!」

「ちっ…行こうぜ…」





何が起きたかよくはっきりしないがとりあえず解放されたことだけは分かりずるずるとそのまま床にへたりと座り込んでしまった。



「……」



目の前に歩いてきたのはさっきの酔っぱらいを追い払ってくれた人。睨みをきかせそれに怯んだのか酔っぱらいの二人は小走りでどこかへ行ってしまった。






「何してんだお前」

「……」







顔をあげたら目の前にいたのは私をバカにするような半笑いの顔で私を見下ろす跡部だった。



「…なんだよ」



明らかに何やってんだコイツって顔をしている。本当は反論したいのに、馬鹿にするなって言ってやりたいのに…急に安心感が湧いてきてわけもわからず目からポロポロと涙がこぼれてしまった。



「…っ…何で泣くんだよ」



何でかなんて自分でも分からない。しゃがんで私の事をバツが悪そうに見てくる跡部。自分のせいで私が泣き出してしまったと思っているのか。普段会いたくないと思ってるのに今回ばかりは会えた事に感謝している。




「あ…りがと……っ、」

「……あぁ」



いつもの私ならこんな素直に跡部にお礼を言えないと思う。でも跡部のおかげで助かったし怖かったのも本当だから嗚咽をもらしながらもお礼は言いたかった。いつもの私とは違うと思ったのか少し間を空けてから返事をしてくれた跡部。そのあとに軽く頭に手をぽん、と置いてきた。その行動にまた涙が出てきてしまった。



「ほらよ…いつまでも座ってんな」



私の腕を掴んで立たせてくれた。その手はさっきの酔っぱらいなんかとは全然違って優しかった。



130705



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勝ち気なエリオット