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「なんや、跡部かいな」

「…んだよ」

「あれ?名前ちゃん?!なんでおんの?」

「お久しぶりです」



部屋から出てきたのはユウシ君だった。久しぶりだ…。ユウシ君は私と跡部を交互に見ながら目をぱちくりさせている。



「自分なんでこないとこに…」

「友達と海に遊びに来ててね、たまたま泊まったホテルがテニス部さん達の泊まる所と一緒だったってわけ」

「へぇ〜…でもなんで跡部といるん?」



ごもっともなツッコミだ。




「えーっと…」

「迷子だ」

「迷子?」

「迷ったらしい。ホテル内でな」




理由を言おうとしたら跡部に言われてしまった…自分で言うよりも惨めである。ユウシ君が迷子っておいおい、みたいな顔で見てくるつらい。



「それで部屋探してるん?」

「今からね。でも部屋番号わかんない」

「ルームキー持ってないのかよ」

「……」



ごそごそ探してみると。




「……あった」

「…」

「っつ…」



カード型のルームキーを跡部に見せたらすかさず奪われベシッと叩かれた。痛い…。



「部屋番号書いてあるの気付かなかったのかよ」

「すいません…」

「行くぞ」

「跡部も行くん?」

「こいつだとまた迷子になりそうだからな」

「ふーん…ほな俺も行くわ」

「……」




なんとユウシ君もついてくるみたいです。跡部は何でお前もくんだよ、みたいな顔してる。




「勝手にしろ」

「何で跡部がそない事言うん。それは名前ちゃんが決める事やんなー?」

「う、うん…」

「早く行くぞ」

「わっ…」

「ちょっ…待ちいや!」



跡部は私の腕を掴んで歩き出した。後からユウシ君もついてくる。












「つ、着いたー!」

「お、よかったやん」



自分の部屋が何階にあるかすら忘れてた私。エレベーターで移動してちょっと歩いたらやっと自分の部屋にたどり着いた。



「お世話になりました」

「まったくだな」

「もう迷子とかなったらあかんで?」

「だ、大丈夫です!」




迷子とかそうしょっちゅうなってたら困る。




「跡部も…いろいろありがと…助かりました」

「別に構わねえよ…だが、礼くらいはしてもらわねえとな」




ここにきて…何、お礼って!まあ助かったし本当に感謝はしてるけど。何したらいいの?…ハッ…跡部の事だからお金とか?無理無理!そんな大金ないから私!



「え…」

「お前何考えてんだよ」

「私そんな大金無いよ…」

「…ぷっ…。バカかお前」

「ちょ、…え?」




私の言う事を聞くなり吹き出す跡部。そして私の両肩を軽くトン、と押した。




130716



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勝ち気なエリオット