48吹き出した後に、跡部は両手で私の両肩を軽く押した。そのせいで私は自分の部屋のドアにもたれる形になった。
「え…」
「お前本当面白いな…名前」
「は…んっ?!」
跡部に久しぶりに名前呼ばれてちょっとびっくりしていたけど、そんなことも長くは考える余裕もなくいきなり跡部の顔が近づいてきた。
と思ったら目の前真っ暗、口には柔らかい感触、頭は真っ白。
されている事が分かった私は、一瞬真っ白になった頭をフル回転させて跡部の身体を引き離そうとした。
引き離そうとしたのだ。
「…ん…ふ…んんっ」
前にふざけて跡部にされたとのとか、仁王に冗談でされたキスとは全然違った。いつもと違う跡部に戸惑ってしまってまた頭が真っ白になった。そうしてるうちにもキスは更に深くなっていく。
「ふ、ぁ…ん、んん…」
次第に跡部を押す手にも力が入らなくなってきた。その腕を跡部が掴んでドアに押し付ける。角度を変えながらキスをしてくる。息する暇もないくらいに。跡部の前髪が顔にかかってくすぐったい。どうしよう、どうしようもないこの状況。頭がぼーっとしてきっちゃって足の力が抜けてく。それに気づいた跡部は私の片腕を離し、腰を支えるように手を添えてきた。
「んん!…っ…」
酸素がだんだん足りなくなってきて少し苦しくなってきた、でもどうしても手に力が入らない。しかし苦しくなっている私に気付いた跡部はようやく口を離してくれた。
「っは…はぁ…」
私は脱力してしまい膝がガクッとなってしまった。跡部が支えてくれたので床に崩れ落ちることはなかった。
酸素を取り込んだことで頭が回転するようになってきた。今直前までされていた事を思い出し赤面するも跡部に思いっきり抗議をしようとした。
したのに、
「お前…可愛すぎ」
床に落ちていたルームキーを拾い上げるとドアを開け私をグイッと引っ張りルームキーを手に持たせ部屋の中へそのまま押しやった。
「ちょっと!」
「いい歳して迷子とかなんなよ。じゃあな」
「あっ!」
ガチャ…とドアを閉められてしまった。私は床に座りこんでしまった。両手を頬に添えるととても熱い。心臓もバクバクいってる。
「跡部俺おったん忘れてへん?」
「あ?お前いたのかよ」
「おい!」
そんな会話がドアの外でされていても今の私の耳には聞こえて来なかった。自分の心臓の音だけがうるさくて。
130716
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