52三橋君と海に来たのだけれど……
「…?どうしたの苗字」
「え、あ、ううん、なんでもないよ」
視線を一気に浴びてます。特に女の子。何でかってもう、当たり前じゃないですか。私の横には王子ことイケメン三橋君がおられるのですよ。一緒に歩いてるだけで注目の的になるとは…。わかってはいたけど…。
「はぁ…」
なんか息苦しいなあ…って、三橋君には申し訳ないんだけどね。
「どうした?絶対なんかあるだろ」
「大丈夫大丈夫」
「大丈夫じゃねぇだろ?」
「いたっ…いひゃい…」
頬っぺたつねられた…。
「いてて……三橋君といるからさ、女の子の視線が痛い」
「え?どーいうこと」
「三橋君て鈍感でしょ?」
「は?!んなことないって!」
「えー…」
「それより苗字もあれだからな」
「なになに」
「………本当は他の男の前に出したくないんだよな〜…」
「え?!」
「なんてな」
「ちょっと!」
今のどういう意味なんだろ…とか思ってる間に腕をつかんで歩き出した三橋君。変なドキドキに負われながら着いて行く。
「手繋いでいい?」
「え?!なんで…?!」
「いいから繋がせて?」
「は、はい…」
三橋君ずるい…あ〜、三橋君のこのイタズラっぽい笑顔に女の子ってノックアウトしちゃうんだよね…。甘いな…私も。
「行こうぜー、苗字」
「うん」
今だけは…いっか。
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