08



あれやこれや考えてる間にも時間は過ぎていくわけで…


「もう着いちゃった…」


通り過ぎたいマンションを通り過ぎる事は許されないわけで。自分の家だしね。


「……何これ」


ふと自分のマンションの向かい側を見た。


「……城?」


越してきた時に凄いとは思ってた。改めて見るとやっぱり凄い。いや普通に家なんだけども、それはもうずばり豪邸と言う名が相応しい家が建っていた。よく考えてみたら自分のマンションといい周りの家といい、この辺どうやら高級住宅街みたい。中でも一際目立つのがこの豪邸なんだけどね。


「ほぁー…ここ日本だよね…ん?あ、跡部…?」


目の前の大きな門の横にある表札を見ると英字の筆記体で「ATOBE」と書かれていた。跡部と言ったら思い浮かぶのは一つ。


「え、まさかあの証券会社の跡部?…いやいや、え。でもここ高級住宅街っぽいし。有り得なくもないよね」




「わ……」



表札をまじまじと見つめていると後ろで車が止まった。しかもリムジン。


「おい女!」


いきなりリムジンの窓が開き呼ばれた。
リムジン…初めて本物見た…


「…はあ」

「俺の家の前で何してんだ」

「あー…いや、別に何も」


お、おお。そうかこれが跡部家の坊ちゃまね。すっごい偉そう…。


「俺に会いに来たのか?随分と熱狂的なファンもいたもんだな」



車から降りて来て何言ってんのこの人。怖っ。それによくみたら制服だった。しかもそれは私の学校の横にある氷帝学園の物だった。氷帝はお金持ち学校だけど、まさか跡部さんちの坊ちゃまが氷帝通いだったとは…。でもまあ、端整な顔はしてるけど。


「よく言ってる意味がわかんないとゆうか…あ、邪魔でしたね。ごめんなさい、私帰りますんで。それじゃあ」


面倒だから早く切り上げるに越した事はない。


「おい、待て」

「ちょっと…何ですか!」


いきなり腕を掴まれて引き止められた。私が何をしたって言うの…


「俺の家の前で突っ立ってて何も用がないわけないだろ?何をしてた」

「だから本当に何でもないですよ!私の家がここなんでただ通りすがりに見てただけです!」


私は自分のマンションを指差しながら答えた。


「このマンションにか?」

「そうです、それが何か?もう行ってもいいですか?」


いい加減離してほしい。


「このマンション確か…」










「何しとー?道の真ん中で」









あぁもう、だから早く帰りたかった。




111001



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勝ち気なエリオット