なんだかんだあの後は跡部が自分からキスしてきやがった。調子のんなよ、って押し返したけど。ホントこいつ俺様だよなー。完璧だけどそこだけが欠点。
「それに比べて宍戸は遠慮しいだよなー?」
「苗字暑苦しいくっつくな」
「えーやだーー」
「……」
今は学校内のテラスに移動したところ。この学校デカ過ぎ広過ぎ金かかり過ぎ。こいつらに着いて行かなきゃ普通に迷子になると思う。
「名前はほんま宍戸好きやなぁ」
「うん」
ちなみに今は跡部は不在である。生徒会長って忙しいんだな。先生になにやら呼び出されていたようだった。岳人と長太郎も部活の用事があるらしく今はいない。忍足と宍戸と俺の三人だけ残っている。
「俺にももう少し愛分けてくれてもええのちゃう?」
「え、無理。っつーか無駄」
「酷ない?」
「謙也にならいくらでも注ぐけどな」
「なんやそれ」
「俺自分よりモテる奴好きじゃないんだよ、ごめんな」
「笑顔で物凄いエグい事言うんやな」
「それ俺はモテねぇって言ってんのかよ」
「そんな事ないって〜!宍戸は何してても許せるだけ」
「なんやねんこの差別は」
忍足もモテるって謙也から聞いてるもん。まあ見て分かるとおり大人の色気振りまきやがってよー、かっこいいぜ馬鹿野郎。
「忍足お前も宍戸の謙虚さ見習えよ〜?」
「俺かて謙虚やわ」
「ちょ、苗字!」
忍足にそう言い俺はのそのそと椅子に座っている宍戸の膝の上に向かい合うように跨った。
「ここ仮にも氷帝のテラスやねん。おっ始めんといてぇな」
「はぁ?!んなわけねぇだろうが!!降りろ苗字!!」
「え〜、やだ〜」
宍戸、なんかミントの香りすんなー。爽やかだなー。イメージ通りだ。宍戸の首元すんすんしてたら忍足に首根っこ掴まれた。
「名前アホ」
「邪魔すんな」
「ここ学校内やで?皆見とるわ」
「わお」
忍足に言われて周りを見ると顔を赤くしてヒソヒソ話してる女子生徒が。忍足からシャツを離してもらい宍戸から降りるとそのまま女の子達の元へ歩いて行く。
「ごめん、忍足達になんか用だった?」
「あ、いや、えっと、大丈夫です…」
「あ、そなの?」
「と、おりかかったら、忍足君達がいたから…」
テンパり過ぎだろ!可愛いな!にしても、くそー、忍足目当てか。アイツめ。振り返って忍足を睨んでおく。しかしまあ、顔を真っ赤にしてわたわたとしている女の子がものっっすごく可愛い。
「おい、苗字!行くぞ!」
「ちょ、待てって!あ!妬いてんの〜?」
「ち、ちげぇ!!」
「ったく〜、可愛い奴め!」
やはり宍戸も可愛いな。うん。
女の子達に軽く頭を下げその場を後にした。
140601
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