「ねえ、テニスコートってどこ?」
「えっと、あそこに見える校舎の…」
「あ、ていうか時間ある?今。俺氷帝見学に来るの初めてでさ〜、色々案内してほ…いでっ!」
「おい、行くぞ」
「わ、跡部」
「悪かったなこいつが迷惑かけて」
「ちょ、わ、引きずるな!あ!ありがとねー!よかったらLINE教え…ってぇな!二回も殴んな!」
放課後までテニス部員は、ていうか普通に皆授業があるから俺はテキトーにカフェやら講堂やらで時間潰してた。広過ぎて退屈しなかったけど、帰りにテニスコートに来いって跡部に言われたんだった、と思い出したものの場所が分からない。困っていたらその辺通りかかった可愛い女子生徒に声をかけていたらこの有様である。
「ったく、お前は目を離した隙に…」
「だってテニスコートの場所分からなかったんだもん。女の子可愛かったんだもん。」
「場所を教えなかったのは悪いと思ってる。後者は関係ないだろ」
「ちぇー」
保護者かよ、くそー。
「何かと心配性なんだよな跡部は」
「お前は手がかかる」
「それねー、幸村にも言われた」
「そーかよ」
「幸村には半ば呆れられてるかもなー」
「まあ、そのくらいの方が世話し甲斐があるけどな」
くしゃっと頭をひと撫でされた。何とも優しい笑顔で微笑まれて何も言えない。畜生、俺以外のイケメン滅びろ。
「着いた」
「うお、ひっれー」
何じゃこの馬鹿でかいコートは…。設備すげぇなおい。部員もたくさん。
広いテニスコートと数えきれない程の部員の中に発見したくないものを発見してしまった気がする。そしてそれと目が合いそしてそれが此方に猛スピードで近づいて来ているのも出来れば気の所為にしておきたい。
「やあ、苗字。久しぶりだな」
無理だった。
140605
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