12きたる土曜日。
今日は氷帝の文化祭の一般公開の当日。まだ始まって1時間と経っていないのに氷帝の敷地内はたくさんの人で溢れかえっている。
「どこから見る?」
「広いからね…どうしよっか」
シェリーと待ち合わせをしてさっき合流したところだ。パンフレットを見ながら回り方を決めているんだけどさすが氷帝と言った所か、広すぎて何から回ればいいか全く分からない。
「お昼まで時間あるし、展示の所から見る?」
「そうだね!」
「すごいね、今年も氷帝の文化祭は」
一通り目当てのブースは回った。今は休憩中でカフェのブースで休んでいる。
「おーい」
「うわ!びっくりした…三橋…」
「来てんじゃん、文化祭」
「来てるよ」
「なんか興味ないみたいな事言ってたじゃん」
「それは学生ホストだよ…あたし文化祭自体は行きたかったし」
「あ、そーゆうこと」
「三橋君は誰と来てるの?」
「さっきまでクラスの子達と一緒に回ってたんだけど古川と2人で抜けて来た」
「古川君は?」
「売店行ってる」
三橋君が突然現れたからちょっとびっくりした。古川君と一緒に来てるみたい。私服の三橋君…素敵過ぎる…。
「そういやあ、女子たちがお前ら探してたよ」
「なんで?」
「学生ホスト連れて行くんだー、って」
「あー、はいはい…」
「三橋君確か行きたがってたよね?」
「そうなんだよなー、なんか面白そうじゃん?てわけで、行くよな?」
「え」
ガシッと腕を掴まれてしまった。有無を言わさない笑顔が怖いです目が笑ってないです。いつもの爽やかな王子スマイルの三橋君は何処へ…。
「みーはしー!って苗字と瀬林!お前らも来てたんだな」
打って変わって、天然爽やかスマイルありがとう古川くん。
「古川、苗字達も学生ホスト行くってさ」
「まぁじで?!行こ行こ!面白そうじゃん?!俺らだけで行くのは気が引けてさー」
笑顔でバンバンと肩を叩いて来る古川。痛いぞ。
「な?行こうって、イケメン見れるんだよ?イケメン。中に入らなくてもちょっと寄るだけでもいいから」
「んー、分かった…」
確かにこの間も行くって言っちゃったし…。腕を掴まれてしまい最早断れない、何より楽しそうな三橋君と古川君を見てたら。渋々シェリーと着いて行く事にした。
140606
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