15なんなの、マジで…。
「ありえないんですけど…」
「あー、跡部もなんちゅーか…独占欲丸出しっちゅーか」
「え?……てか、どういうことなの?」
せっかく来たのに、男子は入れないって。そりゃ確かにホストクラブって言う体だから男の子が来るのはおかしいかもしれないけど、一応お客さんなんだし。第一男子がダメなんて一言も言ってなかったじゃん。
「ちょっとー、侑士くーん」
「ほんまごめんて名前ちゃん、俺も跡部が何考えてるか分からへんのや…男子来たのも今が初めてやったしなぁ」
「別に…ダメならダメで構わないけどあの言い方はないんじゃないのー?…侑士君に言ってもあれだけどさ…」
「ほんま堪忍…!名前ちゃんとお友達にはドリンクサービスするで…な?」
この通りって、手を顔の前で合わせて片目を瞑りながら私の様子を伺う侑士君。侑士君に罪は無いんだしこれ以上彼を責めてもしょうがない。
「ま、いーけど…」
「おーきに!さっきの子らにこれ渡しといてや。これ学内の模擬店何処で使うてもえぇやつやから」
そう言って5枚綴りの紙をくれる。
「俺からも跡部に言うとくで…ほんまごめんな?」
申し訳なさそうに侑士君が仕事場に戻っていく。
その後はテーブルについて慈郎君が私たちの相手をしてくれた。久しぶりに会った慈郎君はすごく可愛かった。笑顔で話してくれるから私たちも癒されてさっきまでの事もある程度気持ちが落ち着いてきた。
「名前ちゃーん、なんか忍足から聞いたけどー、ごめんね〜?」
「いやいや、慈郎君が謝ることじゃないって。ね?シェリー」
「なんか本物って聞いてたよりも凄い俺様なのね」
「それは否定できないC〜」
苦笑い気味の慈郎君に私たち2人も苦笑いになってしまう。
「んー、此処ではこんな事になっちゃったけど〜、他のブースとかお店も楽しんでってくれたら嬉C〜…かなぁ…」
「うん、残りの所も色々見て回るからね!」
ホストクラブの部屋を出てシェリーと再び校内を回る事にした。
150331
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勝ち気なエリオット