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「こ、れが…そうなんだ…」



学生ホストの造りがあんなに豪華なものだったのだから、お化け屋敷の造りも豪華なのは当たり前なわけで。

それはもう、凄いおどろおどろしい外観。見た目だけ入りたくなさが増した。

血塗りの看板はボロボロでそれを持って客引きしているのは髪の毛がかなり長い所謂貞子的な人である。


「いや、待って…ほんと無理なんだけど…」

「大丈夫大丈夫!」

「なんでシェリーがそんな笑顔なのか分かりかねる」


ほんっっっとにホラー物は苦手でお化け屋敷とかじゃなくてもよく夏になるとテレビ番組でやっている心霊映像ランキングみたいな、ああいった類の物も絶対見れない。

昔家族で遊園地に行った時にお兄ちゃんに誘われて一緒にお化け屋敷に入った事があった。その時お兄ちゃんはなんと私を置いてどんどん行ってしまったのだ。

もうお化け屋敷とかトラウマでしかない。


「シェリー無理だってぇ…ふ、古川くんもあんなに怖がってたじゃん…」

「あんたそんなにこういう系ダメだっけ?てか、古川はビビりすぎなだけでしょ?」

「馬鹿言え!瀬林、なめてっとやべぇからな!!」


顔を青くしながらも熱弁する古川君。もうこれ絶対怖いじゃん……。


「4人で入れば大丈夫」

「みんなで入れば怖くない」

「「そ、そんな〜…!」」


見事に古川君と被ってしまった。










もうその後はあれよあれよと言ううちに受付を済ませすぐに中に入る事になってしまった。


「……早く出たい…」

「か、勘弁してくれよぉ〜…」


古川君は2回目なのに怖がってる…もうめっちゃ怖いって事じゃん…やだ…。

入った途端、ボワーっとなんか低い音楽とふわふわと微風が吹いている。なにこれ…テーマパークにあるお化け屋敷レベル…。

ギイィとドアの軋む音。廃校をテーマにしているらしく、急に予鈴の音が鳴り響く。


「きゃっ!!」
「うおあ!!」


私と古川君は叫び声を上げてシェリー、三橋君に飛びつく。


「おい、古川…お前2回目だろ?」

「名前、こんなんで怖がってたら先進めないでしょ?」


そもそも私入る気すらなかったのですが……


とも言えず、先に進むシェリーにしがみ付くしかなかった。




150410



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勝ち気なエリオット