02


「あの店行きたいなり」

「はいはい…」



どうしてこうなった。



「もっと乗り気にならんか」

「なんでよ。急に連れまわされてるんだよ?無理でしょ」


仁王にあちらこちら街中を連れまわされてる私。なんでこうなったかというのも、数十分前に遡るのだが____











「ほんとごめん、ほんとに」

「いや、大丈夫だよ?」

「ほんっとに、ごめん」

「それより、早く行ってあげなって!」

「うん、ありがと…名前、ほんと愛してる!」



シェリーに愛の告白を受けた私。そして笑顔で見送る。シェリーの弟くんが高熱を出したらしい。弟くん大丈夫なのかな、骨折したり高熱出したり…。買い物に2人で来てたんだけどそんなこんなで解散することに。ショッピングモールの中の本屋さんに寄って雑誌を立ち読みしていた。すると不意に肩を叩かれ振り返ると、


「あ」

「1人なんか?」

「……うん、仁王はなにしてるの?1人?」

「おう」


ばったり、…でもないか。私は立ち読みしてただけだし。肩を叩いたのは仁王だったようだ。さっきまで後輩といたらしいけど、後輩が急用できて1人になったらしい。私も同じようなところだった、と言えば今から少し付き合えと言われた。


「えーじゃろ?名前ちゃんも1人なんじゃし」

「そーだけどさ…」

「デートじゃ」

「わ、っちょっと!」


デートとかなにそれ!仁王に半ば無理矢理腕をひかれショッピングモールから出る事になった。ショッピングモールを出れば色んなお店が立ち並ぶ道に出る。そこで色々買い物がしたいらしい。



そして冒頭に戻るのだ。





「でも意外だな〜」

「何がじゃ」

「仁王って買い物とか1人でしたがりそうじゃん?なのに私なんか連れてきちゃってさ。それが意外」

「そんなの決まっちょる」

「ん?」

「名前ちゃんと一緒におりたいからじゃよ」

「え…」


いつもの意地悪い笑顔とは違うサラッとした感じで微笑まれながら、今すごい事言われた気がしたけど気のせい…かな?う、うん。気のせいにしとこう。仁王のいつもの気まぐれだよね。


「あ、そう、なんだ」


片言になりながらの返事しかできなかったけど仁王はもう店の中に入っていってそんなの気にもしてなかったみたいだけど。



170204



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勝ち気なエリオット