07


マンションまで名前ちゃんと一緒に帰った。部屋に入り携帯を机に出した時に光っていた。メールがきとった。全く気付かんかった…。

メール開いてゾッとした。少し前に遊んだ事のある女からのものだった。内容はこれから会おうというものだったが、もちろん会う気などない。しかし、まあ。なかなかこいつはやばかった記憶がある。無理と返信すればすぐさまそれに対しての返信があった。


今から雅治の家に行くから


勘弁してくれ、と思い、また自分でも中々自覚しつつある女癖の悪さを恨んだ。またあの時に合鍵を渡していた自分も恨んだ。


どうしたもんか。と、会いたくないし会ったらなんかやばそう。そう悟りどこかへ行こうと思ったが下手に出歩いて出くわしたらそれも明らかにヤバイ。

咄嗟に思いついたのは隣人。頼るしかない。




「どうしたの?」

「少しだけ匿ってくれんかの…」


いきなりなんだと言わんばかりの表情をする名前ちゃん。色々言われたけど家に入れてくれた。っていうか俺が無理矢理入った。私の家じゃなくてもいいのに…そんな声が聞こえた。いやいや、名前ちゃんの家がいいんじゃって。ぶつくさ言いながらも結局招き入れてくれる名前ちゃんに感謝。




2時間は経っただろうか。テレビを見ながら時間を潰していた。名前ちゃんが女はもう来ないんじゃないかと言っていたがそんな甘い奴じゃない。と、その時嫌な予感がした。悪寒が走り玄関の方をチラッと見れば、名前ちゃんがドアを開けに行き出した。


「名前ちゃん?!何しとん?!」

「しっ!静かにして!」


俺は息を潜めていた。すると名前ちゃんが誰かと話だした声が聞こえた。しばらくすると部屋に戻ってきて


「なんか、凄い女の人だった」


やっぱり。俺が安堵の息を漏らしていると名前ちゃんはそろそろ自分の家に帰れと俺を促してきた。好きな子の家にいてそのままほいほい帰れる程できた男じゃない、俺は。その事に関して名前ちゃんはそろそろ気付いてもええんじゃないか?


「これからじゃろ?」


そんな鈍感な所も好きじゃけど。



140427



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勝ち気なエリオット