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戻って来た小林さんが、おもちゃエキスポについて話し合っていた会議室に土方さんと入って来た。みんなにまた一緒に働くことが伝えられ、嫌々ながらも黒川さんは小林さんにスタッフのお弁当の発注を任せた。


「弁当の発注って……」とみんなが思っているのが伝わる。実際私もその中の一人だ。お弁当の発注なんて、一年目にやらせてもらった仕事だ。それが小林さんの歳でやるのはなかなか屈辱的だろう。


それでも小林さんは嬉しそうに「はい、早速リサーチしてきます。」と言って会議室を出て行った。それを見た田所さんが「なにニヤニヤしてんだ。」と言っていたけど、どんだけ嫌いなのよ、と小さなため息が出てしまった。





何かを探しているのだろうか、小林さんはくちゃくちゃになった領収書を何枚も机に広げていた。それを見た田所さんは「余計な仕事を増やさないようにお願いしますよ。教育係の黒川先輩は今回会社から大役を仰せつかってるんですから。」と釘を刺した。

そう、今回の東京おもちゃエキスポをフランスへ持っていけるかどうかは責任者の黒川先輩の腕にかかっている。美人で仕事の出来る黒川先輩は私や渡瀬さん、会社の女子社員の憧れの的だ。

そんな黒川先輩、先程会議室での「頑張りたいと思っています。」という小林さんの発言が気に入らなかったのかお説教タイムに突入しようとしていた。みんな一度は受けたのであろうその雰囲気を察し、そそくさとオフィスを出た。もちろん私も渡瀬さんも。普段は「女だから。」と仕事面でなめられがちな私たちを強く守ってくれているのは黒川先輩だけど、この時間だけはどうも好きになれない。小林さん、頑張ってください。