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「は、ぁ」
呼吸が苦しく沖田さんの学ランを掴む。
気付いたらもう夕方になっていた。
夕陽がうっすら窓から差し込んで、沖田さんの学ランの金ボタンに反射した。
(あ、ボタン‥)
「っは、お、沖田さん」
唇を離そうと胸をぺしぺしと叩くと沖田さんは少しむぅとむくれて文句を言った。
「なんでィ」
「第2ボタン、くれますか?」
「ボタン?」
「その、思い出に‥」
今日で沖田さんの学ラン姿ともおさらばだと思うと寂しいものがあったので、いわゆる好きな人の第2ボタンを、卒業の思い出に貰おうかと考えたのだ。
「そんなちみっこいんじゃなくて、これごとやりまさ」
沖田さんは学ランを脱いだ。
「え、いや、」
違う。
第2ボタンだから意味があるのだ。
学ランごと貰うのは何だか違う。
そう思いつつも沖田さんの匂いがする学ランを貰えるのは、それはそれで嬉しかったりもした。
受け取った学ランをぎゅっと握りしめるとクシャと音がした。
「あれ?」
ポケットに何か入っている。
中を漁ると何か紙のようなものが出てきた。
「沖田さん‥これ‥」
「っおっと!こりゃダメでさ!」
出した瞬間沖田さんにバシッと取られた。
「‥‥」
「‥まぁ気にすんな」
沖田さんはそれを丸めてズボンのポケットへといれた。
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