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とりあえず練習終わるまで待ってろ、という王子の指示の元夕方まで待っていた。

王子に彼女が出来たという噂は既に広まっているようで、いつも王子の出待ちをしているファンの人数は明らかに減っていた。

(確かにこれは効果があるなぁ)


そう思っているとちょうど練習が終わったらしく剣道部員がゾロゾロと出てきた。


「おぅ名前。待ったかィ。」

一直線に私のところに来る王子に少ないもののいたファンがどんよりした顔をする。
あの女はなんだ、という視線を浴びながら「お、お疲れ様です」と小さく返事をした。


「敬語やめなせェ」
「そ、それはいきなりは…」
「じゃあせめて名前で呼びなせェ。それらしくしてもらわないと困りまさ」
「……名前お伺いしてもよいですか」
「そこからかィ。一応この学校では有名人なんだけどねィ。はぁ、いい感じに名前はムカつきまさァ」


ため息を吐かれながら頬をつねられた。

「痛たたた」
「総悟。沖田総悟でさ」

そう名乗られた瞬間「総悟!」という声がした。


「総悟!お前その女の子はどうした?ヤケにファンも減ったじゃないか!?」


大きい声の持ち主は笑顔で歩み寄ってきた。
後ろに怖い顔の人もいる。


「…近藤さん。紹介しまさ。彼女の名前でさ。」
「か、彼女ぉおおお!?」
「名前、主将の近藤さんと、後ろが副将(仮)の土方さんでさ」
「(仮)ってなんだよお前っ」

どうしよう、こんな上級生に囲まれたの初めてだ。しかも、この人たちは王子といつも一緒にいる人気者。周りの視線が痛い…。


「挨拶くらいしなせェ」

コツンと頭を叩かれハッとする。


「あ、1年A組名字名前です!宜しくお願いします!」
「お、元気があっていいなぁ」
「総悟の彼女か…何かあったら言えよ。」
「土方さん、人の彼女狙わねぇでくだせぇ」
「そんなつもりじゃねぇよ!」


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