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風呂を出て頭をふいた。
名前の家の風呂場は名前の使っているシャンプーやらボディソープやらでいい匂いがする。
せめてこの匂いが持ち帰れたらいいのにな、と名前の家で風呂を借りる度に思った。
リビングに行くと名前はラーメンを作って出してくれた。
「こんなもんしか今うちになかった」
そう言って出された即席ラーメンには海苔と卵、そしてすりゴマがたっぷり入っていた。
すりゴマたっぷりはオレの好み。
コイツこういうひと手間が出来るんだよな。
そういうとこがいいんだよな。
「お前は何食ったの?」
「えっとね、ハンバーグ作ったよ」
「ずりぃ」
「高杉も食べたことあるじゃん」
「他の男に食わせんなよ」
「何なのそれ」
汗をかきながらラーメンをすするオレを見て名前はケタケタと笑った。
アピールしてんのに、笑うとこじゃねぇんだっつの。
「ラーメンうめぇ」
「ねぇ一口ちょうだい」
あーっと口を開ける名前。
あーやべーちゅーしてぇ。
「流石にラーメン食べてるときにすんのはなぁ‥」
「え?なに?早くちょうだいよ」
麺を少しとって名前の口に運んでやる。
コイツ本当に可愛い。
銀八のもんとか考えたくない。
オレがラーメンを食べてる間名前はニコニコとこちらを見ている。
麺を食べ終え、ずず、とラーメンの汁を飲みきった。
あーほんと、オレが世界一名前の事好きなのにな。
「‥‥名前」
「なぁに?」
どんぶりを置く。
名前の顔を見た。
目が合う。
「オレ、お前が好きだ」
つづく
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長夢
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