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部屋に入ると机の上に変な形のおにぎりがあった。

「食え」
「‥これ、高杉が握ったの?」
「何だよ。おにぎり嫌いかよ?」
「いや‥」
「じゃ食え」
「んぐっ」

高杉におにぎりを半ば強制に口に運ばされる。

炊くときに失敗したのかご飯はべちゃっとしていた。
中には焦げたウィンナーが入っている。

「まずい‥」
「え!?マジかよ!?え!?」

戸惑う高杉を見て笑ってしまった。

「お米の炊き方‥教えてあげるよ」

そう言うとパッと表情を変え、安心したように笑う高杉。
いつも無愛想なのに、こんな感情をくるくる変える高杉を見るのは幼少期以来な気がする。



「これから毎朝作ってやるからな」



ーーーーー


学校に行く時も当然のように私の後をついてきた。

「‥あのさ高杉。私銀ちゃんと付き合ってんだけど」
「知ってら」
「だから、高杉のことは」
「言うな言うな。まったく女ってのはせっかちだからいけねぇ。」
「は?」
「未来は分かんねぇだろ」

高杉は何を考えているのだろう。

今まで冗談だと思っていた全ての事は、もしかして本気で言ってくれていたのだろうか。



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長夢
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