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ー8話


自分から泊まると言っといて何だが頭がいっぱいだった。

何をどうすれば良いものか私にはさっぱり分からない。

とりあえず先にシャワーを借りてめいいっぱい身体を洗った。

(どうか、どうか今だけ細くなれ‥)

服を着る前に一生懸命お腹をマッサージする。

今日私はベランダの鍵を閉めてきた。このまま泊まったら高杉はどうなるんだろう。

寒そうにドアの前に座っている高杉が脳裏をよぎったが、このままいつまでも高杉のために外泊をしないでいるわけにもいかない。

私たちももう高校3年生で、きっともうすぐ大人になる。
そしたら今みたいな関係ではいられないんだ。


胸が重い。

小さい頃はこんな感情はなかった。

一体いつから高杉の事を考えるとこんなに胸が重くなるようになったのか私は分からない。



今私は銀ちゃんのマンションにいて、シャワーを浴びていて‥

早く銀ちゃんに抱き締めてもらって、この胸の重さを取り払って欲しかった。



用意してもらったTシャツとジャージを着てシャワーを出た。




「あ、やべ」
「え?」



上がるやいなや部屋では銀八が腹筋をしていた。



「見られた」
「腹筋?どうしたの?」
「いや、ちょっとでも腹へこまねーかなって」
「え!私も同じこと考えてた」



二人で笑い合う。胸が軽くなり、銀八の甘い匂いが鼻を掠めた。



「やべー名前がオレの服着てる。いいね〜」
「銀ちゃん、おじさんみたい」
「どうせ、おじさんですよ〜だ。オレもとっとと風呂入ってくるわ」



1人ぽつんと部屋に取り残され、もうすぐかと思うとどうしたものかとそわそわしてしまう。

いてもたってもいられなくなり、銀八に習って腹筋をした。




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