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「服、脱がせてもいい?」
「ん‥」
「じゃ、ばんざーいしてな」
緊張していたが、銀八のゆるい口調に少し力が抜けてしまう。
銀八は優しい手つきでTシャツとズボンを脱がせてきた。
「あ、」
下着姿になり露になった肩にキスを落とされる。
「ぎ、銀ちゃ、」
銀八の唇は首を通りまた唇へと戻ってきた。
「ふ、」
キスを繰り返されてるうちにピンっとブラのホックを外されてしまう。
「あっ」
「見せて」
「や、」
「んーふにふに」
「わ!、た、タンマ!」
「タンマなーし」
銀八の手がゆっくりと動く。
銀八の指、唇、吐息、視線、全てに呼応して痺れるような感覚が脳を支配してきた。
部屋が暗いとは言え恥ずかしく目を瞑った。
顔も身体も燃えるように熱を持っている。
「恥ずかしくて、‥死ぬ」
「ハハ、なんかオレも恥ずかしいわ。頬っぺた赤くなっちまうな」
銀八はそう言って自分の頬を私の頬に寄せた。シャンプーの匂いがフワッと鼻を突き抜ける。
(あ、ヤバい‥)
どうしよう。この匂い、やばい。
心臓がばくんばくんと激しくなった。
「すっげぇ、心臓動いてる」
私の胸に手をあてて銀八はニヤリと微笑んだ。
「‥ん」
「いやお前‥その顔、反則だろ」
「っあ、」
「その声も反則」
「っ‥」
「あ、うそうそ。声おさえないで〜」
銀八は不思議だ。
優しくて、ゆるくて、マイペースで、たまにずるい顔をして。
いろんな面があって、私はそこに惹かれてる。
高杉は違う。
高杉は馬鹿で、一直線で。
「名前?」
(‥‥私、また高杉のこと考えてた)
涙が出てきた。
「なに、こわい?」
急に泣き出す私に銀八は慌てて私を布団の上から抱き締めた。
「ち、違くて‥」
「無理させた?」
「いや、その」
自分でも何で泣いてるのか分からない。銀八に優しくされればされるほど涙はどんどん溢れた。
「あっの、大丈夫、大丈夫だよ」
「ごめんな、無理させたな」
「銀ちゃん‥」
「オレさ、無理してるの分かってて、このまま名前のこと手に入れられねぇかなーってズルいこと考えちゃった」
「そんなことないっ。私銀ちゃんには本当に、救われてて‥」
銀八はにこっと笑って私の涙をぬぐった。
「なぁ名前。無理に高杉のこと、考えないようにしてね?」
「‥」
「無理なんてしねぇでさ、ちゃんと考えてみろよ」
「‥銀ちゃん」
「まぁ、今日は服着とけ。風邪ひくからよ」
銀八は再び「ほら、ばんざーい」と声をかけて今度は服を着せてきた。
「大事な身体なんだからよ、焦ることねぇさ」
そう言って銀八はそのまま朝までぎゅっと抱き締めてくれた。
つづく
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