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高杉は私の言わんとした事を察したのか目をぱちぱちさせ、その後一気に頬を赤く染める。
「っ、自惚れんぞ?」
「‥自惚れて、ください」
「っ‥」
「好きだよ‥っわ!」
気持ちを伝えた瞬間、高杉がベッドから勢いよく腕を伸ばしてきた。
「っ‥ちょっと!ひ、左手、折れてるんだから!」
「‥うるせぇ、」
高杉の腕からぷちぷちっと点滴が抜けていく。
次の瞬間にはもう抱き締められていた。
「だめだよ‥固定してないと‥」
「っくぅ、痛ぇ‥やっぱ退院してから聞けばよかったかも‥」
高杉はそう呟きながらも強い力でしばらく私をぎゅっと離さなかった。
小さく肩が揺れている。
「泣かないでよ」
「うるせぇ、お前にはオレがどんだけ険しい道のりを歩んできたかわかんねぇんだ」
「何それ」
「なぁ、ちゅーしていい?」
返事を待たず高杉は私の口を塞いできた。
「ん‥」
高杉は口の中も切っているらしい。
キスは血の味がした。
高杉はしばらく合わせていた唇を「痛ってぇ」と離し、舌を出す。
「だ、大丈夫?」
「‥お前、真っ赤じゃねぇか」
「晋ちゃんも‥真っ赤だよ」
「あーもう。やべぇ、もっかいしよう」
「いや、痛いならやめとこうよ」
高杉は悔しそうにため息をはきながら呟いた。
「‥早く退院してぇ」
つづく
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