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「出席とんぞー」
「待ってー待ってー」
銀八が教室に入った直後に名前が教室に滑り込む。
「はぁ、走ったぁ」
「ん?名前お前‥」
「セーフ!」
「いや、アウトだろ。お前スカーフないぞ」
「え」
銀八に指摘され自分の胸元を見る。
「完全アウトだろ。何かセクシーなんですけど。先生はムラムラします」
「ちょっと何言って‥」
「銀ちゃんセクハラ発言ネ」
「銀八はやっぱり名前狙いですかィ」
「名前ちゃんって高杉の女じゃねぇの?」
銀八の際どい発言に生徒達があれこれ騒ぐ。
つきあってることは内緒のはずなのにバレたらどうするつもりなんだろうか‥。
ハラハラしながら神楽ちゃんと総悟の間である自席へと足早に座った。
「名前スカーフなんて気にすることないネ。私のジャージ貸してやるヨ」
「ありがとう」
神楽ちゃんのジャージを借りてジッパーを上まで上げた。
朝の高杉乱入事件でどうやらスカーフを忘れてしまったらしい。はぁ、最悪だとため息を吐いた。
「何ならオレのどエスTシャツ貸しますかィ?」
「いや、それは遠慮するよ」
「まぁ名前はドエムっぽいしねィ」
「そ、そうかな」
「高杉のワガママにいつもつき合ってるんだからそうでさ」
「えー、そんな事ないけどな‥」
高杉がワガママであることは否定しないけど、私はそれを喜んで叶えたことはないはずだ。
「ねぇ、私ってそんなに高杉と一緒にいるイメージかなぁ」
「「うん」」
二人に聞いたら同時に返されてしまった。
「高杉は私なんかより他の女の子といる方が多いと思うんだけどな‥」
「それはそれで否定出来ないネ」
「アイツはモテるからねィ」
「どの世の中もちょい悪に引っかかる女は多いアル。私は嫌いだけどネ」
高杉のそばにはいつも派手な女の子がいるのに、それでも私は高杉と一緒にいるイメージが周囲に定着しているらしい。
非常に残念なイメージである。
朝の事はきっと高杉が欲求不満かなにかで頭がおかしくなっただけだろう。
早く忘れよう‥とまたため息をついた。
つづく
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長夢
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