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土方さんと稽古をしたらお腹がすいた。
夕食を食べに食堂へと向かう。
山崎さん達と食べようとしたら沖田さんがこっちに来い、と手を振ってきた。
「男装君はほんとに沖田隊長のお気に入りだね」
「隊長には逆らえねぇな」
残念そうに山崎さん達に見送られる。
「てめーはオレの横でィ。お茶持ってきなせぇ」
「オレ山崎さん達と食べようかと思ってたんですけど」
「オレとは嫌って言うんですかィ?そんな傷つくこと言わねぇでくだせぇ」
これっぽっちも傷ついてるようには見えなかったが、そんなことを言われては隣を動く訳にはいかなかった。
「なに?お前人参好きなの?やりまさ」
「こら!好き嫌いしたら大きくなれませんよ」
「チビに言われても説得力ねぇや」
沖田さんは物凄いスピードで人参を私のお皿にのせてくる。
「おぅ、お前ら噂通り本当に仲良しだな」
「近藤さん!」
「総悟がこんなに人を気に入るなんて珍しいぞ」
「いや、オレ結構困ってます」
「近藤さん!男装が来てから1番隊も活気づいてまさ。男装はずっと1番隊でお願いしやす」
「そうか!そうか!1番隊を頼んだよ男装君」
がはは、と近藤さんは笑って私の頭を撫でた。
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皆が噂するように確かに沖田さんはどこに行くのにも私のそばにいた。
書類整理の時は横で寝てるし、見回りの時も横でガムを噛んで膨らましている。
昨日の夕飯前の稽古も横で月を見ていた。
ずっと一緒にいるものの、気づいたら横にいるので特に邪魔ではなかった。
今も沖田さんの部屋で一緒にババ抜きをしている。
「沖田さんって強いらしいけどいつ練習してるんですか?」
「強いらしいって何でさ」
「実際見たことないから知らないんですよ」
「見たら惚れるぜィ」
「惚れることはないと思いますけど」
沖田さんはバリバリお煎餅を頬張りながらトランプの札をひく。
ババ抜きは何回かやっているがこの人に勝てたことは未だにない。
「男装はトランプ弱いでさ」
「‥それは、否定しませんけど」
自分の札がなくなった沖田さんはやれやれ、と立ち上がった。
「ふぅ、トランプも飽きたしたまには稽古でもしますかィ?」
つづく
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