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ー6話




「男装〜茶ァいれてくだせぇ」


沖田さんの声が聞こえた。
またこの人は勝手に私の部屋に入ってきたらしい。
一体今何時だろうか。

目を開けて身体を起こそうとするが何故だか身体に力が入らない。

「あれ、珍しい。まだ寝てるんかィ」
「‥あれ」
「ん?お前、顔真っ赤だぜィ」
「沖田さん‥寒い」


風邪を引いたらしい。


「情けねぇな」
「‥昨日、沖田さんが水鉄砲撃ってきたからです」


昨夜、沖田さんは最新の水鉄砲を入手したらしく、寝る前にとても楽しげな表情で私にバンバンと撃ってきたのだ。

昼間は暖かいが、夜はまだ冷える今日この頃。
その濡れた状態のまま眠ったら、まんまと風邪を引いてしまったようだ。


「あれぐらい避けられねぇと実戦ですぐ死ぬぜィ」


沖田さんは相変わらずああ言えばこう言うな、とうまく働かない頭でぼんやり考えていたら視界に沖田さんが入ってきた。
沖田さんは私の顔を覗きこんで、おでこをくっつける。

「‥あの、ちょっと近いです」
「結構熱ありそうだな。濡れたタオル持ってきてやりまさ」

あれ、沖田さんが優しい。
水鉄砲の件で罪悪感が生まれたのだろうか。
珍しくいそいそとタオルと冷たい水の入った洗面器を持ってきてくれた。


「あ」


私の頭上でつるりと沖田さんが滑った。
当然持っていた洗面器とタオルは宙を舞い、ちょうど私の顔面にバシャーンっとかかる。

「‥沖田さん、冷たい」
「やべえ。何か躓いた。何でィ、これ」

沖田さんがしかめ面を浮かべ何か布を持っている。
私のさらしだった。
昨日寝るとき外したのだった。

どうやら沖田さんは私のさらしを踏んで滑ってしまったらしい。

と、いうことは私は今寝間着である薄手の着物1枚で布団にくるまっている。
見られたらまずい。

「とりあえず男装布団から出なせェ」
「え、だ、大丈夫です‥」
「大丈夫ってお前、布団も服も濡れてまさァ」
「っいや、その‥」

冷たい。本当に冷たい。
しかし今布団から出たら身体のラインで女だとバレてしまう。

「ついに頭までおかしくなっちまったかィ。悪化しますぜ」
「い、や‥」
「顔色悪いでさ」


お陰様で実際体調はかなり悪化していた。
悪寒と頭痛で身体がガタガタ震え、視界もゆらゆら揺らいでいく。

「さ、寒い‥」
「ほら、だから‥」


沖田さんに腕を掴まれて布団から出させられそうになる。
抵抗しなければと思ったが、そのまま意識を手放してしまった。



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